奉書式印判状を日附の行に捺したものと、袖に捺したものとに大別

第一類 奉書式印判状

新に印判の使用が盛んになったのは、室町時代の末期からであるが、之が全国一円に始めから盛んになったのではなく、先づ東国地方から始まったのである。その東国地方の大名にして、文書に印判を捺して出した初見は、実に永享元年、駿河遠江の大名であった今川氏親のものである。但しこの印判状は直状の形式であって、奉書式のものではなかった。奉書式印判状の初見は、前述した印判状の初見よりも遅れた大永二年、相模の北条氏から出した文書である。

以下この奉書式の印判状を、先づ印を捺した箇所により、日附の行に捺したものと、袖に捺したものとの二つに大別する。とのことです。