奉書式の印判状と直状式の印判状

今印を捺してある文書、即ち印判状を通覧すると、前部に於いて説いた書札様の文書と同じく、之を奉書と直状との両様に区分することができる。尤も印判状に於ける奉書は、奉者が差出所に現れ、それに花押を据えるかあるいは据えず、そこに印を捺すものは稀である。印が印判状に見られるのは、奉者以外に、袖若しくは日附の行に、奉者の主人が印を捺すに依る。従ってここに印判状の奉書とは、書札様の文書に於ける袖判のある奉書に当たる印判状のことである。この奉書に対して差出所に現れた主格が直接出した形式、即ち直状の印判状がある。依って印判状を奉書式の印判状と直状式の印状とに区分する。とのことです。