直に平の本文を書きだす足利義満の文書

事実前掲頼経の文書に次いで、それと同じ書式で〔一六三〕の如く、文永八年四月廿七日、北条時宗が、武田妙意と申す者を甲斐甘利庄南方地頭代職に補任する為めに出したものがある。

尚お之と大体の書式は同じであるが、始めに何々せしむべきことと云うが如き事書や、補任云々の如き文言を書かず、直に平の本文を書き表すものもある。次に挙げる前将軍足利義満が、上杉憲定にその父憲方の遺領を創造することを許す為めに出した文書は、この書式を具えている。とのことです。