左側に寄せて花押をすえる

中世に出来た書札礼の中に、かく名乗の左側に寄せて花押を加えるのは、その真下よりも、先方に敬意を表し、之に反して右側に寄せるのは、敬意を表さない礼儀であると説いているものもある。この文書は偶々折紙を用いた為に、かかる署判の位置となったもので、そこに何等寓意の存するわけでは無いかも知れない。然し竪紙を用いた文書にもかかる位置に花押を加えたものもあるから、総べて意味の無いものと看過するのも少しく危険である。とのことです。