下知状と同じ書止め文言をもつ竪紙の奉書

〔三二九〕に挙げた文書は、康正三年二月十九日、同じく奉行衆から、山城国岩倉の実相院の所領に関して出した竪紙の奉書であるが、その書止めに「下知如件」の文言を用いている。之は極めて珍しい例であって、之に依って書止めに下知状と同じ文言を用いるもののあったことが知られる。〔三三〇〕に挙げたものは、文明十四年十二月三日、安芸国吉川経基に対して、畠山義就対治の為河内国に参陣を促した文書であるが、之は折紙の奉書である。とのことです。