六波羅探題の下知状

第二種 下知状・御教書

施行状計りで無く、訴訟を裁許する為めに出した文書にも此書式を用いている。〔一八六〕は、嘉禎四年十月十九日、六波羅探題が山城松尾社雑掌と地頭大宅光信との同社領丹波雀部庄の年貢以下の事に関する相論に対して下した裁許の文書である。六波羅からは仰に依って下知如件と結ぶ既説下知状の式のものを出さず、ここに挙げたものの如く、単に下知如件と結ぶものを以て、訴訟の裁許状を出している。形式から云えば、奉じたもので無く直接出したものである。之も文書の名称としては下知状と呼んでいる。この下知状も、前出関東鎮西の裁許の下知状と共に重要な文書であることに変りは無い。とのことです。