年附は勿論月日も書いていない奉書

さて図版の右端に「仰天文十三 九 廿三」とあるは、本紙の右の端裏に、別筆で書いた文言である。これは封を施す前にこの文書の内容に関した事務を取り扱う長官即ち上卿が書き加えたものであろう。この奉書には年附は勿論月日も書いて無いから、何時のものであるかは、専らこの端裏書によって知り、之に依って何天皇の女房奉書であるということも判るのである。尚女房奉書には、奉書の書式でも宸翰を染めさせられたものもあり、かかるものが室町時代から伝わっている。とのことです。