頼朝の時代からある将軍家の御教書

この将軍家の御教書は、既に頼朝の時代から用い、その時には頼朝の右筆若しくは政所の家司等が頼朝の仰せを奉じて出していた。〔三一五〕に挙げた文書は、右筆平盛時が奉ったものである。次に頼家の時代に至ると、〔三一六〕の如く、執事北条時政が奉って出している。これは元久二年四月廿二日、出雲国の守護所に向かって出したものであるが、書止めの文言は下知状と同じく、ただ充所が日附差出所の次行に書いてあり、奉書の形式となっている。とのことです。