「状如件」「仍執達如件」より鄭重な「恐惶謹言」「恐惶敬白」

〔三〇〕以下の書礼は、〔二五〕以上のものよりも、一層鄭重さを表していることは勿論である。〔二三〕〔二四〕〔二五〕と〔二八〕〔二九〕と何れが鄭重さを多分に表しているか俄かに決定致し難い。然し〔二八〕〔二九〕は、日附に年号を含んでおり、元来なれば日附に書下年号を書けば、本文書止めは「状如件」、もしくは、「仍執達如件」と結ぶべきものであるが、ここに特に敬意を表する為に、「恐惶謹言」「恐惶敬白」の敬語を用いたものと見るべきである。この鄭重な書礼が、全く充名の人に依っていることは申す迄もない。この書礼は、書下年号の本文書止め「状如件」と相対して見るときに、その意義が判るのである。とのことです。