「充行ふ」と区別された「預け置く」

当時大名の直轄の所領を料所、或いは蔵入と申し、これらの所領の管理者を任ずる時には、料所を預け置くと云い、家来に所領を付与する時に用うる充行ふという文言と截然と区別を付けている。この区別は戦国時代の大名の間に始めて現れたものではなく、既に室町将軍家や鎌倉公方家などから発する文書等にも見えている。関所の管理を預けられた栗林氏は、徴収した関銭を上杉家に納入する傍、その代官として収益を納めていたこと勿論である。それは他に明文が無くても、栗林肥前守に充ててこの印判状を発していることによって自から明らかである。とのことです。