袖に「晴信」と龍の二つの朱印が捺してある過所

〔四九八〕に挙げたものは、信玄が永禄三年六月六日、富士山御室、即ち甲斐北口吉田の浅間宮の御供米并に之に伴う通行の荷物馬七疋分の関所料を免除する為に出した印判状である。御室御供米等に附与した過所というべき文書である。

袖に二つの朱印が捺してある。上は「晴信」の二字を印文とした方九分重郭のもの、下は既に詳述した龍の朱印である。「晴信」の印に就いては後段で詳記するからここに省いておく。袖に両印を捺したものとして珍しいが、この部類に入るべき文書である。とのことです。