日附が月日から成り、充所を具えた袖判印判状

  は式 日附が月日から成り、充所を具えたもの

あこの部類に入る印判状は多く伝わっていない。〔五〇六〕はその一例で、武田氏が甲府の坂田源右衛門と申す者に、肴の奉公を致すに依り、一箇月一疋商売物運送に使用する馬に対する課役、即ち関所税等を免除する為に出したもので、本文の書出しに例の龍の朱印が捺してある。恐らく晴信の時代のものであろう。又〔五〇七〕は、天正九年武田勝頼が伊豆に出陣し、北条氏の軍と交戦中、甲府に止まっていた老臣跡部勝忠に、留守中の心得べき事柄に関して申送った條書、若しくは條目と云う文書であるが、本文書出しに龍の朱印が捺してある。先のものは本文書止めが、「如件」とあるが、後のものは條目であるから事書を並記したのみで、書止めの文言を具えていない。とのことです。