地方の大名領内の徳政史料

は式 日附が年月日から成り、充所を具えないもの

左に挙ぐる図版は、この部類に入る印判状である。

この文書は、長尾景虎(謙信)が、越後上田庄妻有庄藪神が水損に依り、地下人が困窮するので、徳政即ち貸借の契約を無効にする掟を敷いて、之を救済する為に出したものである。徳政に関する古文書としては、既に室町幕府から出したものに重要な史料となるものがあるが、之は地方の大名領内の徳政史料として注目するに値する。売買の代金の未払も棒引きとなったことが、右の第五条に依ってわかる。とのことです。