弘安礼節の書中礼

書札礼に関する文献として、最も重要なるものは、弘安礼節の中にある書中礼がそれである。この書礼は、弘安八年公家に於いて、諸礼を制定した時共に定めたものであるが、その内容は、この時代に至って突如として案出したのでは無く、これより前恐らく平安時代の末期頃から、既に礼法として行われて来たものが、一の系統に纏めて整備されたものと見るべきであろう。爾後この書中礼が書礼の中心となり、之に基づいて、書札礼が細かく発展して来たのである。とのことです。