書札の書式に帰一している

又直状も奉書も、その差出す側の主格の地位と、文書に書き表す内容とに依って、種々の名称を以て呼ばれている。かように書札様文書は意義に於いて公私の区別、名称に於いて各様の区別が付いていたので、如何にも複雑しているように思われるけれども、その書式の骨子に於いては書札の書式に帰一しているものであった。然し、その差出者と受取者との関係、或いはその文書の内容如何に依って、その細部に於いて種々書式を異にするものであった。従ってこの書式の相違を知って置かないと、種々の書札様の文書を見た時に、差出者と受取者との地位の関係、或いは文書の内容に関する意義を充分了解することが出来ない。とのことです。