裁判に関係した奉行が現れる印判状は今川氏と北条氏のみ

かかる裁許の印判状は天文二十四年のものが初見で、その後引継き之を出している。此等の印判状に依って、当時の訴訟制度の一端を研究することができる。かように裁判に関係した奉行とも云うべき者が奉者として印判状に現れているものは、前記今川氏と、この北条氏とに見るに過ぎない。ここに鎌倉幕府の裁許の下知状が復活して来たように現れているが、如何せん時代の隔りは、到底同じ形式の文書を出すことを許さない。名は評定衆とあっても、文書の形様には著しい相違が現れている。とのことです。