重郭正圓、上部に鍵形のある上杉家の印

日附の上部に捺した印は、重郭正圓、上部に鍵形の如きものが付き、郭内に「摩利支天、千手、勝軍地蔵」の三名号を配列して、鍵形から下部迄の長さ一寸六分、圓の径は一寸四分ある朱印である。この印は謙信の元亀元年頃の文書に捺したものから始まり、景勝が引継き之を使用している。先に(図版第一四〇)に挙げた文書に捺してある印と共に、捺した文書の最も多く遺っている印である。この両印が上杉家の印の代表的のものと云うべきである。とのことです。