古文書学上重要な意義がある龍王丸(今川氏親)の黒印状

龍王丸の名が示す如く、氏親は未だ幼稚であって、実名が無く従って花押を具えていなかったのであるが、その家の当主として文書を出すべき地位にあったところから、その文書に花押の代わりにこの黒印を捺したのであろう。この後元服して氏親と称してkさらも、この印を継続して用いた。既に〔四九六〕に挙げたものはその一例である。かような次第で龍王丸の黒印は、戦国時代東国諸大名の間で文書に捺した初見のものである。ここにこの文書の古文書学上重要な意義がある。とのことです。