忙しいときには花押に代えて朱印を捺した秀吉

いま姑くこの部類に収めておく。秀吉の名字の下に印が捺してある。之が実に秀吉の文書に印の現れてくる始めてのものである。かように簡単な文書から見えてくるのは注意すべき点であろう。此後天正十三年小牧長久手の合戦の折、時々この朱印を通例の書札様の文書に花押に代えて捺している。之は恐らく時に忙しい折には、印を用いた事実を示すものと思われる。とのことです。