牒解符の入れ子状の文書

〔二一〕は、民部省から大和国司に宛てたもの。

牒 弘福寺 → 大和国

解 大和国司 → 太政官

符 太政官 → 民部省

符 民部省 → 大和国

下記のように入れ子状になっています。

牒に偁ふ → 将為伽藍田者

解に偁ふ → 望請、官裁、将被裁下者

符に偁ふ → 省宜承知、依宣行之者

       (下巻ではこの前の奉勅依請者)

結びの文句が違っていますが、奉勅依請者は、清貫宣にかかるのではないでしょうか。

字面に内印が十一顆捺してあるとありますが、これも下巻では、十顆になっています。