八省・大宰府・国司の牒

八省の牒は少ない。第十図は 治部省 → 円珍 の牒。「内侍之印」が十二顆捺してある。このとき補任された内供奉持念師が、宮廷に参内して護持僧として任に就くのであるが、それが後宮職である内侍司の司るところだったので、捺されたものであろう。

大宰府は管内諸国にはすべて符を出しているが、社寺には牒を出している。〔三二〕日下の大典惟宗朝臣は、草名を署している。

国司から出した牒としては、〔三三〕但馬国司→造東大寺司〔三四〕因幡国司→東大寺三綱務所〔三五〕大和国司→弘福寺衙などがある。〔三三〕楊故史は、やこ、〔三五〕置始は、おきそめ、大日長背とあるのは、平安遺文フルテキストデータベースによると、大目長背とのことでした。