花園天皇が御父伏見法皇に奉った御請文

〔二五八〕は、花園天皇が(文保元年)八月十二日、御父伏見法皇に奉った御請文、即ち御返事である。この年八月法皇は御病篤く、御後事を御遺言あらせられ、関白二条道平をして御置文を認めしめ給い、後伏見上皇に賜った。この御置文に依って、播磨国衙領を花園天皇に御譲与せられんと思し召されたが、元来この所領は持明院統の御嫡流が伝承せられるべきものであるに依り、之を後伏見上皇に賜り、上皇天皇を御扶持し奉るべきことを伝えさせられたのである。依ってこの御置文の旨を拝承せる由を、両御方から御請の文書に認められて上った。右に挙げたのはこの時の花園天皇のものである。とのことです。