幕府奉行の奉書に倣った越後守護上杉氏の奉書

以上両項に亙って記述した武家奉書の例として挙げたものの中、戦国時代に於ける諸大名のものは、皆西国地方の守護大名から出したもの計りであった。然らば東国地方にはかかる奉書は無かったかと云うに、左様では無く、越後守護上杉氏の如きは、室町時代の中頃から、既に〔三三八〕に挙げた大友氏、或いは〔三三九〕の大内氏の年寄の奉書と同じ書式、即ち幕府奉行の奉書に倣ったものを出している。とのことです。