後醍醐天皇が明極楚俊を召す

金沢文庫には、かかる貞顕の書状の伝わるものが極めて多くあるが、〔四五四〕に挙げたのは、本紙礼紙二葉伝わり、略々その完形を窺うことができる。文中に唐僧とは何人であろうか。天皇が之を召されて御問答あらせられし理由が書いてある。この唐僧とは恐らく元徳元年支那から渡来したかの明極楚俊で、即ち後醍醐天皇が楚俊を召して禅学に就いて御問答あらせられたのである。とのことです。