「執啓」よりは「上啓」、「謹上」よりは「進上」の方が敬意を表す

次に書止めに、「状如件」と結んだものがある。〔四〕はその一例である。〔五〕は僧侶の書状で、官の代わりに「沙門」と書いたもので、書式としてはこの部類に入る文書である。〔六〕は「執達如件」を書止めに書いた例、〔七〕は下附に「奉」と書いてある。尚、「執達を「執啓」に代えて「執啓如件」と結ぶものがあり、〔八〕はその一例。更に「上啓如件」と結ぶもの、〔九〕はその一例。かくの如き書止めのものには、何れも充所に、「上所」として「謹上」或いは「進上」を附けている。「執啓」よりは「上啓」、「謹上」よりは「進上」の方が、多分に敬意を表している。右に挙げた例は、書止めと上所との間に相応した書式のあることを示すものである。とのことです