女子に充てた綸旨、書止めは「あなかしく」

次にこの差出所の書式で、日附に年号を附けたものは実例が少ない。〔一五〕は、蔵人頭が奉じて女子に充てた綸旨で、仮名交じりで書いてあるから、書止めが「あなかしく」となっている。

次に〔一六〕は、書止めに「執達如件」と結び、〔一七〕は「恐惶謹言」と書いて、上所「進上」が附いている。「恐惶謹言」の書止めに対応して、特に上所を副えて敬意を表したものと見るべきである。とのことです。