書止め「執達如件」が「状如件」よりも鄭重

次に〔一九〕の如く、書止めに「状如件」と結ぶものがあり、〔二〇〕の如く、「執達如件」と結ぶものもある。前者の封紙の上書の差出所が、「右中弁(花押)」と表したのに対して、後者は「右中弁政顕」とあり、花押が実名に代わっている。之に依って見ると、書止め「執達如件」が「状如件」よりも鄭重な書き方であることがわかる。充名が大徳寺の住持と、越後守護代長尾晴景との相違に依って、かように区別を付けたと見るべきである。とのことです。