西海道地方です。
筑前。筥崎八幡宮、先述のとおり石清水八幡宮に伝わっているが、旧社家田村氏に鎌倉時代からの文書が伝わっている。宗像神社、太宰府神社に多く伝わる。太宰府神社のものは西高辻、大鳥居、小鳥居の旧社家、別当満盛院に分かれて伝わったが今は一社の所蔵に帰している。今津の大泉坊には、栄西筆誓願寺盂蘭盆縁起、誓願寺建立縁起が伝わる。雷山大悲王院(鎌倉時代から)。
筑後。高良社。
豊前。宇佐八幡宮に関するものが、旧大宮司家到津宮成両男爵家、益永、小山田の旧社家に伝わり、彦山のものは高千穂男爵家に伝わっている。
豊後。大分の柞原(ゆすはら)八幡宮。
肥前。佐賀郡の河上神社、同別当實相院、杵島(きしま)郡武雄の武雄神社はいずれも平安時代以来のものを多く伝えている。神埼郡の櫛田神社、佐賀郡の高城寺、三養基(みやき)郡の光浄寺、神埼郡の東妙寺。
肥後。阿蘇社のものが、阿蘇男爵家に伝わり、別当西巖殿寺にも重要なものがある。熊本の藤崎八幡宮、玉名郡石貫の廣福寺には開基菊池氏に関するものがある。飽託(ほうたく)郡川尻の大慈寺(鎌倉時代のもの)、阿蘇郡小国の満願寺、玉名郡高瀬の清源寺、人吉の成願寺(鎌倉時代から)。
日向。宮崎郡の大光寺。
大隅。臺明寺(平安時代中期から)いま島津公爵家に於いて蔵している。
薩摩。一宮新田八幡宮。