2021-04-23から1日間の記事一覧

織豊時代からの古文書を伝える諸家

以上は、鎌倉時代室町時代に守護地頭御家人として活動した武家に伝わった古文書を主としていたが、戦国時代以後世に著れて古文書を伝えた家も少なくない。 安藝廣島の淺野家、筑前福岡の黒田家、肥前佐賀の鍋島家、阿波徳島の蜂須賀家、伊予大洲の加藤家、土…

西海道、武家古文書が最も伝わるところ

西海道地方です。 武家古文書が最も多く伝わっているところです。 筑前。麻生氏、蒲池氏。 筑後。五條氏、征西将軍宮に奉仕した頼元の子孫。草野氏、荒木氏、田代氏。柳川の立花伯爵家には、大友氏の鎌倉時代以来守護としての文書を伝えている。ほかに鎌倉時…

散佚した河野氏の古文書

南海道地方です。 紀伊。伊都郡の隅田党、小山氏、愛洲氏。 伊予。大三島の祝家、忽那島の忽那氏。河野氏の古文書は淀稲葉家にも多少伝わっているが、諸所に散佚。安藝の築山河野家譜に載せられているが、子孫築山家には古いものは伝わっていない模様。 土佐…

西遷御家人の密集地

山陽道地方です。 播磨、備前、備中。なし。 備後。地毗(じび)荘の山内首藤氏、毛利氏に従い萩に伝える。 安藝。都宇竹原沼田諸庄の小早川氏、高田庄の毛利氏は山内首藤氏と同じく相模出身、高屋保の平賀氏は出羽出身、三入庄の熊谷氏は武蔵出身、大朝庄の…

毛利氏に帰属し萩藩士として古文書伝える

北陸道地方です。 若狭、越前、加賀。なし。 能登。得江、得田両氏のものが前田侯爵家に所蔵されている。 越中。なし。 越後。みな米沢に移っている。 山陰道地方です。 丹波。有智庄の片山氏(武蔵七党)、久下氏(武蔵から)。 但馬。夜久氏。 出雲。三刀…

数千通以上を伝える近江朽木谷の朽木氏

東山道地方です。 近江。小佐治、山中氏。高島郡朽木谷の朽木氏、数千通以上、いま内閣記録課所蔵。 美濃、飛騨。なし。 信濃。下伊那松尾の小笠原氏は、越前勝山藩主となって伝えている。水内郡の市河氏の文書は米沢に移り、さらに酒田本間家の所蔵となって…

武家幕府の所在地にほとんどなし

東海道地方です。 伊勢。佐藤氏、澤氏。澤氏は北畠氏の家臣、いま内閣記録課の所蔵。 遠江。天野氏、いま前田家の所蔵。 駿河。伊達氏、美作に伝わり、いま京都帝国大学の所蔵。安倍山に起こった伊東氏は、後に小田原北条氏に仕えて文書を伝えている。 伊豆…

五畿内は極めて少ない

武家伝来の古文書です。 社寺に次いで多いです。 五畿内地方。極めて少ない。 京都にて室町幕府内談衆伊勢家に仕えていた蜷川家、いま内閣記録課所蔵。 和泉。淡輪、日根野氏いまは別の人の所有。田代氏いまは筑後。 河内。和田氏、いまは薩摩。 山城。革島…

所領の古文書、公家の第一位は、久我家

公家伝来の古文書 近衛・九条両家に平安時代以来の政治に関するもの、摂関家領に関するものが多い。次いで菊亭、久我、勧修寺、西園寺、三條西、廣橋、山科、舟橋、土御門、壬生の諸家。なかでも久我家には、鎌倉時代から室町時代に至る、同家所領に関する古…

前編のゴールがみえてきた?

ふー。第四章 第一節 第三項 社寺伝来の古文書 が終わりました。あと、少しですよ。第四項は諸家家伝の古文書です。公家伝来の古文書、武家伝来の古文書(またまた地方別です。日本もう一周がんばりましょう)、庶民伝来の古文書です。 続いて第五項諸所の蒐…

柞原(ゆすはら)と杵島(きしま)

西海道地方です。 筑前。筥崎八幡宮、先述のとおり石清水八幡宮に伝わっているが、旧社家田村氏に鎌倉時代からの文書が伝わっている。宗像神社、太宰府神社に多く伝わる。太宰府神社のものは西高辻、大鳥居、小鳥居の旧社家、別当満盛院に分かれて伝わったが…

黒箱古文書、實に奥床しい文書

南海道地方です。 紀伊。海草郡の日前國懸両神宮(鎌倉時代から)、伊都郡の隅田八幡神社、同郡天野の丹生都比賣神社に後村上天皇御奉納の法華経と宸翰の御寄進状あり、旧社家丹生氏にも伝わる。那賀郡の若一王子神社には宮座に関する黒箱古文書というものが…