庁宣の旨を更に下に伝える留守所下文

は 留守所下文

 留守所下      春木市折両村

  可令相替 一御社御供田拾参町壹段佰貳拾歩由事、

  本御供田拾町壹段佰貳拾歩本十六町内

  新 御 供 田 参 町  内

   於壹町者二季御祭幣料布拾陸段代立用、

 右件以両村作田當社御供田所相替也者、彼村司等、宜承知、用之、故下、

    安元元年十一月  日

                  大判官代佐伯朝臣(花押)

                      佐伯朝臣(花押)

                      佐伯朝臣(花押)

                  惣大判官代源朝臣京上

                      介源朝臣(花押)

                  目代散位藤原朝臣(花押)

留守所は国司が遙任の場合、在庁の官人が国府にあって国務を執る所である。これに向けて前に記した庁宣が下ることがあると、その旨を下に伝えるために、この留守所から下文を出した。右に挙げた文書はその一例である。厳島御供田として春木市折両村の田地を相替えて寄せるために出した下文である。かように留守所の下文は、庁宣の旨を、更に下に伝えるものであったから、これを下文といわず施行符と称していることもある。この称呼によって、下文が符に代わるものと考えていたことがよく判るであろう。とのことです。