最古の北条時政の禁制

第三種 禁制・過所

更に内容の特殊なものとしては、左の如き禁制がある。

 河内國薗光寺者、

 鎌倉殿(頼朝)御祈祷所也、於寺并田畠山林等、甲乙人等不可乱入妨之状如件、

      文治元年十二月 日

                           平(時政)(花押) 

文治元年十二月、北条時政河内国薗光寺に出したものである。この禁制は、今伝わる禁制の中実に最古のもので、然も木札に書いた文書である。その形は右図の如く、大きさは縦一尺三寸、横五寸三分に過ぎない極めて小形のものである。尚お禁制の形態に就いては、後項で詳述するところがある。とのことです。