圓珍の大乗戒の戒牒

次に大乗戒の戒牒を示すと左の如くである。

(略)

この文書は、園城寺の開祖圓珍が、延暦寺一乗戒壇院にて大乗戒を受けた時の戒牒である。先に挙げた小乗戒のものと様式が全く相違している。この戒牒に於ては、始めに證誠として釈迦牟尼如来の佛菩薩を請じ、当寺の大徳律師を伝授の戒師に乞う旨を記し、次に受戒せんとする沙弥が、その意志を述べて之を請う疏を書き、この終りに日附、その下に差出所が加えてある。とのことです。