奉行・公文所の奉書

奉行・公文所奉書

右の如く執権連署と云う大いに著れた人の奉書であると、その文書の性質が判然とするが、かくまでに至らぬ者の奉書であると、何処から出た文書か明らかに致し難いものもある。〔三二二〕に挙げたのは、鎌倉幕府関係の人の奉書で、執権北条時頼の仰せを奉じているものであることは判るが、かような類の奉書で何処から出たか判然としないものが往々ある。前記時頼の仰せを奉じた實綱外二名連署の奉書は、幕府に直接関係した文書であるが、執権に属している者が奉じた奉書でも直接幕府の命令を伝える為のものでない文書がある。とのことです。