室町将軍が印を文書に捺すのは当初外交上の文書に限られていた

始めこの印は、主として禅僧が用いるところで、一般の世人が文書に捺すことは無かったが、吉野時代から次第に之を文書に捺すようになって来た。武士の間にも足利尊氏直義兄弟以来歴代将軍皆印を具えていたが、将軍が印を文書に捺すものは三代義満の頃からで、然もそれらの文書は、支那、朝鮮、琉球に送る外交上の文書に限られていた。とのことです。