江戸城石垣修理の文書、伺いを立ててから保存

庶民伝来の古文書 です。

紀伊に、庶民にして南朝の綸旨を伝えているもの、武家として活躍後、子孫が帰農。

東国に、庄屋名主の子孫にして今川・北条・武田などの知行充行の判物、感状、印判状を伝えているもの、大名に仕えたもので後に郷村の名主となっているもの。

室町ないし戦国時代から、庶民として工商や芸能に従事し特権に関する證文を伝えているもの、町方農村共有の文書を伝えているもの、名主庄屋肝煎にして一村に関した文書を伝えているものがある。

町方の文書。京都上京の文書。

山村の共有文書。甲斐南都留郡西湖村の文書。同郡鳴沢の巣鷹をする義務を負わされていた文書。

一町の共有文書。駿河庵原郡由比駅の文書。

個人の所有で農村に関するもの。相模高座郡田名村名主江波氏の文書、虎の印判状を多数伝えている。

宿駅に関するもの。武蔵程ヶ谷宿旧本陣軽部家の文書、慶長六年から明治初年に及ぶ前後一貫したものを伝える。

海村に関するもの。若狭遠敷郡多烏の秦氏の文書、海村の鎌倉時代預所以来のものを伝えている。伊豆田方郡木負の大川氏の文書、小田原北条氏以来の無慮(むりょ、おおよそ)千を数える、いま澁澤子爵家の所蔵。

殖産工職に関するもの。越前今城郡五箇庄村の越前紙の産地で三田村氏の紙漉業に関する文書。尾張東春日井郡瀬戸の加藤氏の陶磁器業に関する文書。相模小田原の青木氏の石工棟梁に関する文書、江戸城の修理に関するものがあり、幕府に保存していいか伺いを立ててから保存している。

商業海外貿易廻船業など。京都の角倉氏、大坂の末吉氏、伊勢津の角屋氏、越前敦賀の小宮山氏、筑前博多の島井氏、神屋氏の文書。

町方商業。若狭小浜の橘氏、周防防府の兄部氏、会津若松の梁田氏の文書。