我が国古文書の最古、大宝二年の戸籍

正倉院文書には、計帳もあり、計帳を基にして、六年に一度作った戸籍も伝わっている。国司から注進したものだが、明らかに解の形式をとっていない。解の式をとった計帳等と関係が深いので、便宜上ここに挙げて説明する。これら戸籍のうち、大宝二年のものが、既に前編(p.77)ならびに中編(p.170)のはじめに於いて述べた如く、我が国古文書の最古のものである。

筑前国の戸籍は、古文書を反故として他の文書の料紙に利用した例として図版(p.78)を掲げて示した。ここには御野(美濃)国の戸籍の一部を図版として挙げておく。この図版は首の一部にすぎず、全文は〔六〇〕に収めてある。とのことです。