本文から余程下がった位置からはじめる追而書

この書式は、前陳正倉院文書啓状の第一四式のものに当たる。充所の次は、追而書である。追而書は前述の啓状にもあり、その書き始めに更啓と記しておるものもある。而してその書き出しは本文と同じ高さから始めている。この最澄のものは、図版に見る如く本文から余程下った位置から始めている。後には追而書を本文の前即ち端に書くように変わったが、書き始める行の高さは、この書状の如きものとなっている。この意味に於いてもこの書状は重要な資料である。とのことです。