東嶺金蘭、東峯叡山に美しい言葉副えて

前掲書状の充所、東嶺金蘭は、最澄の居る東嶺叡山を表し、その下に金蘭と美しい言葉を副えて先方を直接に表さず漠然と示して、尊敬の意を表しているのである。五日附のものには止観座主とある。即ち比叡山止観院座主と同じ意味である。之は先のものよりは少しく明かに先方を表している。次に充所の脇付の言葉法前は簡単であって、正倉院文書の啓状に見えている。とのことです。