第一部 公式様文書
詔―臨時の大事
勅―尋常の小事
読み聞かせるから万葉仮名でこの文体を宣命体と称する。
1 中務省の内記御所にて作る。
2 御画日(ぎょかくにち)、例えば一日の「一」の字を宸筆。
3 中務省に案として留め、一通を写して、卿「宣」大輔「奉」少輔「行」と書き、中務省の印を捺して太政官に送致する。
4 太政大臣、左大臣、右大臣が官位と臣の字を加えその下に「朝臣」と書く。
5 四人の大納言が官位と臣の字を加えその下に自ら名を書き、詔書を奉って、外に向かって施行せんことを奏上する。
6 御画可(ぎょかくか)、奏聞の日付の次行に「可」の字を宸筆。
7 太政官ではこれを案として留め外に向かって二つの手続きを執った。
8 在京の諸司、諸衛には、別に詔書を写し、太政官の符という文書に詔書を頌下する意味を書いて之に副えて下し、宣命使をして詔書を読んで伝えしむ。
9 外国即ち地方の官庁たる大宰府諸国司に対しては、詔書を写すことなく、その文章を太政官の符のなかに記載して、この官符を八枚作り、五畿七道に下した。詔が謄写してあるからこの官符を謄詔符という。
ややこしくなってきましたので、いったん休憩しましょう。