上所と脇附

次に進上云々の一行が充所である。この充所は、進上と、東大寺別当御室と、小舎人所の三部から成っている。進上と書いてあるものを、同じく書札の儀礼で、上所といい、小舎人所を脇附と申している。御室は殿、様に当たる敬語である。この敬語は、何れの書状にもあるのが普通であるが、上所と脇附とは、必ずしもあるとは限らない。且つ上所があって脇附が無く、脇附があって上所のない場合がある。かかる区別は、充所の人に敬意を表す度合の相違に依って定まっていたのである。とのことです。