新田義貞の軍勢催促の御教書

〔三六八〕は、延元元年二月十九日、新田義貞が播磨に在陣中、西国に逃れ下った足利尊氏等を追撃しようとして、播磨にも所領を持っていた安芸国の吉川辰熊丸(實経)に参陣を促した軍勢催促の御教書である。この文書の料紙は、薄葉を小形に切ったものである。蓋し先に尊氏の髻の文に就いて述べたように、使者が敵の勢力ある地域を通過して之を送致する必要があったので、その携帯に便利にするためであろう。とのことです。