北条氏の一門は三位に叙せらるることは無かった

北条氏の一門は、執権と雖も三位に叙せらるることは無かった。従って、家の政所を開く資格は無かった。そこで公文所を設けて事務を執らしめていた。既に下文の項に於いても注意した如く、又ここに述べる奉書に就いても、幕府の執権連署として公に出す幕府の御教書と、北条氏一家の公文所からその執事をして出さしむる奉書との間に、公私両様の区別の存していたことを銘記しておかなければならぬ。とのことです。