武田勝頼の官途書出の印判状

以上三例の中、始めの一通は、本文書止めが「如件」、他の二通は「何々也」となっている。ここにも前部で説いたような鄭重さの度合を表しているものと思われる。

右の如き書止めの文言を持たないで、しかもこの形式の印判状に属するものがある。それは前部に挙げた官途書出しの文書〔四二二〕等と同じ内容を具えたものである。〔五〇四〕はその一例で、天正四年武田勝頼が矢島主殿助に主殿助の官途を称することを許す為に出したものである。とのことです。